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支援費制度の穴

  障害者自立支援法から総合支援法になり、障害者の地域生活の支援体制とその支援量がかなり充実したものになってきました。各施設・在宅サービス・送迎など本人の生活ニーズに合わせた支援メニューが多岐にわたり、各個人がそれぞれ住み慣れた地域で自分らしい生き方が着実に実現しているようです。このような制度の中で自分たちワーカーはある落とし穴にはまってしまう傾向にあるように思います。個人のニーズを事例化し同じようなニーズを統計化してお決まりのサービスを提供してしまうことです。個人のニーズは100人いれば100通りになるはずですが。自立支援法施行以前ではもっとも重要なサービス資源は、ボランティアさんでした。クライアントのニーズに対し、それを担う方は在宅の場合ボランティアさんにお願いしていました。よってその時のワーカーはいかに地域のこと、ボランティア活動者の情報を知っているかが勝負になりました。できるだけ地域の人と会い、情報を獲得し、名前や所属機関を知ってもらうか、またいろいろな地域づくりに参加し、草の根の関係性を築いていくのにかなり苦労した思い出がありました。 このような関係が財産となり、障害者の福祉的ニーズに対応していました。(関係者との飲み会も重要な情報交換の場でした。)  法が整備され質・量ともに充実したことは確かですが、何か大きな財産を失った感がありました。その実際としては、「これがないから出来ない。」とか「この人がこうだから無理。」というような否定することの言い訳が多くなったような気がします。かつて、サービスや施設が十分でなかったとき、「ないから出来ない」ではなく、「なくても出来る方法はないか。」という視点でいろいろな人とに相談をしていました。

 法や制度に基づいた支援サービスを考えるだけでなく、支援費収入にはならないかもしれませんがインフォーマルなサービス提供をミックスすることで、充実した地域生活の実現に近づけるのではないでしょうか?

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